Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 96

ページ: 96

翻刻

始末(しまつ)并(なら)びに遺書(ゆいしよ)の趣(おもふき)。逐一(ちくいつ)に申上しかば。殆(ほと)んど時頼(ときより)感(かん)じ入(いり)。御先衆(おさきしゆ)を招(まね)き。 凡(およそ)川水(かはみづ)は。八/尺(しやく)流(なが)るゝ時(とき)は清(きよ)し。况(いはん)や正覚房(せうがくばう)。一度(ひとたび)淫念(いんねん)に心意(しんい)を穢(けが)すと いへども。既(すで)に末期(まつご)には。清浄界(しよう〳〵かい)に入し上(うへ)は。強(あなが)ち流(なが)れを穢(けが)すにはあらず。苦(くる)し からず御通行(ごつうこう)有べしと。行合川(ゆきあひがは)を越(こし)て御帰館(ごきくはん)なし奉る。かくて翌日(よくじつ)評定(へうでう) 所(しよ)にて舎兄(しやけう)経時(つねとき)。其外(そのほか)老臣(らうしん)列座(れつざ)にて時頼(ときより)正覚房(せうがくばう)鉄心(てつしん)をかたり。かの 遺書(ゆいしよ)を披(ひら)きて論(ろん)じ給ふは。今(いま)の世(よ)には難有(ありがたき)僧徒(さうと)なり。これ併(しかし)ながら仏(ふつ) 門(もん)のみにあらず。君(きみ)に仕(つかふ)る者(もの)も又/斯(かく)のごとし。忠心(ちうしん)義胆(きだん)の外(ほか)に。私(わたくし)の念(ねん)を有(ある)は。 僧徒(さうと)邪念(じやねん)あるに異(こと)ならず。左(さ)有(あら)ば皆人(みなひと)の亀鑑(きがん)といふべきか。就中(なかんづく)僧徒(さうと) の輩(ともがら)。兎角(とかく)に行状(けうじやう)正(たゞ)しからず。故泰時朝臣(こやすときあそん)かたく成敗(せいばい)の法(はふ)を出(いだ)したまふと いへども。猶(なほ)放逸(はういつ)の僧侶(そうりよ)多(おほ)し。これらの戒(いましめ)且(かつ)は後代(こうだい)の鑑(かんがみ)に。この事蹟(しせき)遺書(ゐしよ) 等(とう)を書写(かきうつ)せしめ。諸寺(しよじ)諸山(しよさん)に。触(ふれ)知(し)らせて然(しか)るべからんと申されければ。経時(つねとき)始(はじめ) 老臣(らうしん)。皆(みな)尤(もつとも)と同(どう)じ。軈(やが)て諸国(しよこく)に相/触(ふれ)給ふ。扨又/阿曽氏(あそうぢ)か孝女(かうちよ)雪枝(ゆきえ)を