Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 98

ページ: 98

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今日(こんにち)より征夷大将軍頼嗣公(せいゐだいせうぐんよりつぐこう)と崇(あがめ)奉(たてまつ)り。十下(せうげ)万歳(ばんぜい)をぞ唱(とな)べける。前将軍(さきのせうぐん) 頼経公(よりつねこう)には。年来(ねんらい)の素懐(そくはい)を遂(とげ)給ひ。同七月五日に。御/飾(かざり)を薙(おろ)させ給ふ。 御戒師(おんかいし)には。岡崎大僧正成厳(をかざきだいそうしやうじやうげん)。御/剃刀(かみそり)は帥僧正(そつのさうぜう)。指燭(しそく)は院円法印(ゐんゑんほういん)こ れを勉(つと)め。御法号(ごほうかう)を行智(ぎやうち)とぞ尊称(そんしやう)し奉る。来春(らいしゆん)は上洛(せうらく)まし〳〵て。都(みやこ) 六波羅(ろくはら)に御所(ごしよ)を造営(ざうゑい)して。世塵(よのちり)をはらひ褥茵(ぢよくいん)を脱(だつ)して。世涯(せうがい)を逸(いつ) 楽(らく)なし給はん設備(ようい)をなし給ふ。これ御在職(ございしよく)の中(うち)。国家(こくか)穏(おだや)かならざるにより。 御慎(おんつゝし)みのため御譲補(ごじやうほ)ましますといへど。実(じつ)は北条義時(ほうでうよしとき)より。今(いま)経時(つねとき)にいたる迄。 家(いへ)の権柄(けんへい)盛(さかん)にし。将軍(せうぐん)は名(な)のみにて。天下(てんか)の政務(せいむ)一円(いちゑん)に。北条(ほうでう)が計(はか)らひを 患(うれ)ひ給ひ。密(ひそか)に思召(おぼしめし)を。三浦康村(みうらやすむら)に告(つげ)て。斯(かく)遁世(とんせい)はなし給ふ。翌年(よくとし)七月 十一日/住馴(すみなれ)給ひし星月夜(ほしづきよ)。鎌倉山(かまくらやま)をあとに見て。都(みやこ)の空(そら)にいぞがせつゝ。 同しく廿七日/六波羅(ろくはら)新造(しんざう)御所(ごしよ)に入せ給ひ。終(つゐ)に御一生(ごいつせう)を送(をく)らせ給ひけり     時頼任執権(ときよりしつけんとなつて)挫(ひしく)_二光時叛心(みつときかはんしんを)_一話(こと)