翻刻
せいろうにて蒸揚るなり
竹のこ慈姑
一 極上の大くわゐを塩水につけ置薄く菓ものゝ皮をむく
やうにむき芯の処までむきて笋の穂先のごとく巻のばし竹の
ひごにて巻留塩出をして蒸籠にてむしそのまゝ味を
つけ二ツに割庖丁すべし
花星枝
一 梅の枝ぶりよき処を二三寸に切莟のある所へ葛をとき
紅にて色をつけ三ぼんの砂糖をすこし加へ紅白をまぜて
枝をまハしながら莟へとめじよたんにて仕上也
梨子羹
一 極最上の梨のよき所わさびおろしにておろし摺鉢
にて能すり毛すいのふにて裏ごしにしかんてんをよく和に煮
梨子とかんてんを合せ三ぼんの砂糖と焼塩にて味をつけ
よきほどの塗ものゝ筥にながし冷たる処にていかにも庖丁すべし
柚子羊羹
一 青柚子の皮ばかりをむきおとし湯煮て能やハらかに煮水を
かへ三日ほど水にて晒しにがミを去り摺鉢にてよく摺り