翻刻
【右丁】
一惣織物之竪糸/糊(のり)の仕方竪糸百目に付水五六合入の
酌【注①】にて二ッ柳のり三匁葛粉三匁五分銀しやうふ等分に
して白/蝋(ろう)大豆粒程一ッ入椿の油又しらしめよし《割書:但しらしめは|いらさる胡麻油也》
右油は小蛤にて二ッ程入て煮立し処へ入て暫時之間煉り
夫よりおろし冷てしやうふの粉十匁程入る但し蕨の粉
にてもよろし竪糸へ付る也附方は竹へ掛はたくなり
一惣ての織物横糸糊の仕方柳ふのりしやうふ葛粉右三
品等分に煉りてわらびの粉を入糸へ揉附絞り横竹にて
さきなから干し上る也
光絹(はぶたへ)織方
一筬は二十五よみ一目へ竪糸四本入綾取ふぐせ二枚也横
糸も四本にて織る尤蚕六ッ七ッ附位の引揃の糸を用ゆ
但し平綾なり絹機にて織る時は綾取/掛緒(かけを)にてよし筬
【左丁】
柄は二百目位
素細(りうもん)【注②】織方
一筬二十二三よみ筬柄は三百四五十目位光絹より糸二
三段も太く引く筬一目へ竪糸四本入横糸は八本にて
織る尤平綾なり其外光絹と同し
諸繒(もろきぬ)織方幷絹
一筬は二十三四よみ筬柄二百三四十目竪糸は光絹に少
し太く引べし筬一目へ四本入横糸は四本にて織る
其外如前又常の絹は筬一目へ二本入之平綾なり竪
糸繭七ッ八ッ附也
一右三品之絹煉方は早稲藁(わせわら)の灰又は桑木の灰を用ゆ
又樫木の灰もよし掛緒拵方は木機ふぐせの掛糸に
同し
【注① NDLの翻刻本には「酌」に「杓」の傍記あり】
【注② 「細」は「紬」の誤ヵ。NDLの翻刻本には「細」に「紬」の傍記あり】