翻刻
【右丁】
四本なり
一竪糸は生糸にて経て糊(のり)を引也糊の仕方は白米を水
に浸し挽て《振り仮名:𥿻篩|きぬふるい》にて漉(こ)したとへばのり粉一升あらは
四合をのりに煉りあけ残る六合を煉りたるのりに加へ
米酢を差/菜種(なたね)油をさして加減をして糸に付るなり
此加減に口伝あり
一横糸はすが三本位を一本に捻り用ゆ捻方は右捻左
捻に分てよるなり織時は右捻りの糸を二杼織り次に
左捻の糸を二杼織なり糸は尤生糸也
一蹈竹のふみ方は両足にて一三二四と蹈む
一織上て糊気をぬき灰水(あく)にて煉りて染るなり糊抜方は
湯へ浸し揉みて抜事なり口伝あり
一機より織下しの時はしぼ無之干上て後しほ出に口伝あり
【左丁】
一糊之大方酢を入れは糸ふくれ油をさせば糸なめら
かになる生粉を入れはのりのねばり気を去るなり
是合方の心得なれば此意を得意して其加減ある
べきなり
一二尺三寸幅に織り上けしぼを付れは二尺幅と成る
是以其余の幅の考をすべきなり
一/縞(しま)縐紗は二尺三寸幅に織上け二尺一寸の少し
内ば位につまると可知尤縞ちりめんは生糸を捻り夫
より煉り上け染て糊をして機に仕立る也横糸も
同前なり
風織/縐紗(ちりめん)織方
一四/杼(ひ)返しと云右捻糸左捻糸二杼宛四杼織て又
捻を不懸糸を四杼織て初に返るなり