産業史料を翻刻!

コレクション: 養蚕の書

機織彙編 5巻. [2] - 翻刻

機織彙編 5巻. [2] - ページ 29

ページ: 29

翻刻

【右丁】  煉り用ゆ染は煉て後染てもよし又煉なから染むる也 一地竪糸は生すか一本糸を用ゆ合せ糸は不用也依之  並すかにては細き故並すがよりは蚕六ッ七ッも多く附る  外の織物は生糸を用といへとも大凡半煉或は素煮  をして用ゆるなり天鵝絨の地合にかきり一切不練  其侭染て経るなり 一竪糸は捻強きは悪し弱くして力のつよき糸を撰  なり上州厩橋辺より出る糸は上品にあらす奥州福  島辺之糸も不宜也奥州南都【注①】より出る糸を京師  抔にては多く用ゆと云然も極上の糸と云は飛弾【注②】国  縞【注③】田郡より出る糸なり然も多く糸不出仍て南部  の産を大慨上として用ゆるなり 一諸国より京師へ糸出る所之大凡聞く所をしるす 【左丁】  近江国より出る糸を浜(はま)糸と云美濃国より出る糸を  そたいとゝ云/繻子(しゆす)に用て極上の糸なりとそ飛弾  国より出る糸を高山と云又増【注④】田と云是は天鵝絨  に用て極品と云加賀国より出を白糸と云上州厩  橋より出るをまひ【注⑤】橋とも又むすひ糸とも云甲州より  出るを甲州と云奥州所々より出るなれとも押なへて  南部福糸【注⑥】と両名を唱るなり此糸天鵝絨に用て上也  福しま糸は毛糸に用て上なり能く毛立なり紅染  にして紅不残染込むなり外の国の糸は紅染には染  付悪し 一毛糸長五丈位尤/線鉄(はりがね)の大小により毛糸の経尺長  短あるべし 一中の品にて大凡糸/積(つもり)地竪糸懸目三十目耳糸懸目 【注① 「都」は「部」の誤ヵ。NDLの翻刻本は「都」とあり】 【注② 「飛騨」は「飛弾」とも表記。NDLの翻刻本には「弾」に「騨」の傍記あり】 【注③ 「縞」は「益」の誤ヵ。NDLの翻刻本には「縞」に「益」の傍記あり】 【注④ 「増」は「益」の誤ヵ。NDLの翻刻本には「増」に「益」の傍記あり】 【注⑤ 「ひ」は「へ」の誤ヵ。NDLの翻刻本には「ひ」に「へ」の傍記あり。「まひ(へ)橋」は「前橋」ヵ】 【注⑥ 「糸」は「島」の誤ヵ。NDLの翻刻本には「糸」に「島」の傍記あり】