翻刻
【右丁】
十匁目横糸懸目三十四五匁位毛糸懸目百廿目
一織り上り鯨尺一丈一尺五寸此経尺一丈三尺なり
此積りを以て織つまりを可知
一蹈竹五本へ綾取附方は左方を初と定む一の竹へ四
の綾取二の竹へ三の綾取三の竹へ二のあやとり四の竹へ
一の綾取を附る但し織前の方に毛糸の綾取二枚あり
此蹈竹は地の蹈竹の四の竹の次に一本あるに毛糸綾
取の一と二と附る
一蹈竹蹈方は組糸太糸/二挺杼(にてうひ)にて織る左より初り毛
糸の蹈竹と地糸の一の竹を蹈て細き糸一杼右へ置又
左より地糸の二の竹をふみ太糸一杼次に右の方より
毛糸と地の三とをふみ太糸一杼次に地糸四本共に蹈
線鉄(はりかね)の筬を通す偖右の方毛糸と地の三と蹈細糸一杼
【左丁】
左の方より地糸四をふみ太糸一杼次に毛糸と地糸の一を
太糸一杼地糸四本共蹈みはり金の杼を通す如此幾辺も
織るなり但し線鉄を通したるあとは細ぬきを通と知
べし此細ぬきは同口へ二度織る也細ぬきは並のすが二
本又一本にてもよし太ぬきは並すが四本又は五六本位
なり口伝あり
一織上て小刀にてはり金の上を切れば毛糸切るゝなり毛
不切にて用ゆる時は箸にてはり金をぬき取る条々以口伝
可知なり
一金花山織は天鵝絨の仕立にて毛糸を下へ附紋を懸
花楼にて引き紋の出る所へはり金を織り入るなり地糸は
捻り金糸を織る天鵝絨は三杼織れとも金花山は二杼織なり
尚口伝