徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

元禄年中大地震・大火事記 - 翻刻

元禄年中大地震・大火事記 - ページ 8

ページ: 8

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男女跡ゟは火に追れ先へ行事はならす大風に煙 は盛んに押て来り其泣さけふ声さなから地獄の有 様也かゝる所へ藤堂和泉守佐竹右京大夫の両奥 方女中数百人召具し両国橋へ行かゝりけるに九鬼 の家来人を留て壱人も通ささりける両士大に仰 天していかゝせんと思ひける折に騎馬之士下知して 出けるは火難を逃れんとするに道を通さ斯す る内に火来火中に焼死事は目前也迚も死すへ き命也主人を助け大勢の婦人を助我壱人腹切る 何の事か有んと皆刀を抜九鬼の家来へ打てかゝ る九鬼の人数此之躰に辟易して八方逃退ける依 て両家の奥方之輿をはしめ下女下男難なく橋 を渡りて本所の方へのかのかれける是を幸ひと数万之 大勢一同に橋へ押込渡りけるさする内余□盛ん に橋きわまて焼来り川へ飛込ものも有火に包れ 煙にむせひ水に溺死するもの幾百人といふ事を しらす其時火橋杭にもへ移りけれは諸防んと すれ共橋の上へ数万の人にて透間なく防へき様も なかりし内橋板欄干にもへ付けれは人の上へ乗越又 は川へ飛込も有なし歴々の鋲打し乗物なと目より高 く差上けれ共もみ合内倒し駕篭をみちんにふ みくたき身に疵を請たる者幾人といふ事なし 其時橋半より焼落けれは数百の男女老若小 児一時に川へ落水底に沈み壱人として助る者 なし中にて十間計焼落けるゆへ跡成人は知らす 前成人は跡ゟ押れて□ろ〳〵と川へ落死ける