翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 29

ページ: 29

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【右丁】      女商人 國風(こくふう)とて此国 至(いたりて)女さかしく諸商(しよあきな)ひのかけひき十に 九ツ女にて勤(つとむ)るなり男ハ唯(たゞ)ぶら〳〵と酒(さけ)をのみ小詩(こうた)をうた ひ三味(さんせん)琵琶(びわ)小弓(こきう)をならし商賣(あきなひ)ハ余所(よそ)ごとになしのら〳〵 と遊(あそ)びあるく土地(とち)の風義(ならハし)也城下に七所八所の市塲(いちば)あり此 所を新地(しんち)といふ四方(しほう)ハ高塀(たかへい)にて中ハ壱町斗も一日かしの 小屋(こや)のごとく建(たて)つゞきしかし店(みせ)あり其前へ毎朝(まいてう)五ツ時より 晝過(ひるす)ぎまで身業(みすぎ)の品を我(われ)も〳〵と頭(かしら)にのせ手(て)にたかへ 脊(せな)に負(をほ)ひ右のかし店(みせ)へ我一(われいち)とならべたて賣(うり)かいの賑(にきやう)なる 【左丁】 事ハ目覚(めさま)しきこといふばかりなし賣買(うりかい)とも男(をとこ)とてハな く皆(みな)女(をんな)斗(はかり)立(たち)つどひ商(あきなひ)なす事 珍敷(めすらしく)おもハれ折々(おり〳〵)ハ二三 が所(しよ)の新地(しんち)へ市店(いちみせ)見物(けんぶつ)にいたり入用の品を買戻(かいもど)り我折(がをり)候 事はなしの種(たね)となりにけり 米(こめ)【改行して記す】  凡壱升代十弐文也いつにても高下なし但し凡と云ハ此国に升なし  五合 斗(はかり)入瀬戸茶わん又ハ鉢(はち)にて二はい山 盛(もり)になし賣也六文 持行(もちゆけ)バ  五合 斗(はかり)の入物に一はい山もり也もみすり候道具あり臼(うす)と杵(きね)にて一二へん  つき候が白米なり年分に三度ツヽ出来候ゆへ米もよハく味(あぢ)もなし  もみ取候へバ大概(たいがい)の白米のごとし田へ□□し一切いれす刈(かり)入時にハ水□  ハかりすて置田にてくさらすなり諸事にわら遣ふこと一切なし  米 俵(たわら)ハ五斗六斗ほどツヽ入るなり琉球表(りうきうおもて)のやうなるござを両方  あみかゞりその中へいれ跡(あと)からむなり一俵の米二人三人ツヾにて