翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 46

ページ: 46

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【右丁】 合(あへ)バこなたよりも鶏(にハとり)を持出(もちいで)両方(りやうほう)とも毛爪(けづめ)の所へ弐寸ほ どヅヽもある真鍮釘(しんちうくぎ)の太(ふと)きとがりしをはめ蹴合(けあハ)せ それより勝(かち)候 方(かた)へ負(まけ)し鳥(とり)を取(とり)直(じき)に煑(に)させ給(たへ)たること などハさして珍敷(めづらし)くも思(をも)ハず足(あし)にはめし釘(くぎ)ハするど きものにて両方とも血(ち)みどろになりけり国人(くにひと)肉食(にくじき)日(ひ) 々(び)に多(をゝ)く獣料理(けだものりやうり)などハ甚(はなハ)だ手強(てつよ)くみゆれども此方 ども逗留(とふりう)中 灸治(きうぢ)致(いた)し候へハ殊外(ことのほか)恐(をそ)れわなゝき側(そば)あた りへハ壱人も得近(ゑちか)より申さず三四 間(けん)も向(むか)ふより顔(かほ)をしか め詠(なかめ)しハ互(たがひ)におかしく思ひけり尤(もつとも)艾(もぐさ)は廣東(かんとう)より渡(わた) 【左丁】 れども薬種(やくしゆ)に用るのみにて灸治(きうぢ)といふことハしらず脊中(せなか) 足(あし)やいとすへ候へバ人間(にんげん)のやうにハ国人(くにひと)思(をも)ハずめい〳〵もはし め此国にて豕(ぶた)羊(ひつじ)の料理(りやうり)を見(み)し時ハ恐(をそ)ろしく存(ぞん)ぜし が灸治(きうぢ)と料理の感心(かんしん)に笑(ハら)ひの種(たね)を残(のこ)しけり      時放飼 王城又ハ城下(じやうか)町々(まち〳〵)寺々(てら〳〵)にても二六 時中(じちう)其時々(そのとき〳〵)に拍木(ひへうしぎ) を打(うち)あるき大家(たいか)小家(せうか)とてもそれ〳〵に時計(とけい)あり番人(ばんにん)ハ その町限(てうかぎ)りに晝夜(ちうや)時(とき)を打(うち)一町ごとに門々(もん〳〵)あれど夜分(やぶん)明