翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 52

ページ: 52

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【右丁】 人の来(きた)ることいへど其儘(そのまゝ)に挨拶(あいさつ)なすこと扠々(さて〳〵)不礼(ぶれい)にみゆる ものなり只(たゝ)式日(しきじつ)などハ銘々(めい〳〵)衣服(いふく)をあらため互(たがい)にものを もいわず立(たち)ながら両手(りやうて)を袖(そで)の内(うち)にて組合(くみあい)し三度(さんと)拜(はい)をな す事 是等(これら)ハ禮義(れいぎ)正(たゞ)しく見(み)ゆるものなり平生(へいぜい)ハかよふ のことなく男(おとこ)ハこしかけによりかゝり女(おんな)ハ足(あし)を延(のば)しまたハ 居所(ゐところ)を下(した)に置(をき)膝(ひざ)を立(たて)てつまさきをまへに寄(よ)せいること 我國(わがくに)の人ならハ両手を足(あし)へかけいずバうしろへ轉(ころ)ぶやう にもおもハれ候へども此地(このち)にてハ甚(はなハ)だ丈夫(じやうぶ)にみへ斯(かく)の如(こと)く なし針仕事(はりしこと)などすること也 始(はじめ)旅宿(りよしゆく)にて膝(ひざ)をかゞめ 【左丁】 丈六(じやうろく)を組(くみ)食事(しよくじ)せしを国人見物(けんぶつ)せしハ此 故(ゆへ)にこそと後々(のち〳〵) ハ心付にけり又 年(とし)の暮(くれ)大卅日の夜(よ)ハ家々(いへ〳〵)に竹(たけ)を立(たて)て門(かど) にハ灯燈(ちやうちん)を釣(つり)にぎやうなり過(すきに)し大卅日の朝(あさ)国王(こくわう)より品々(しな〳〵) 給(たま)ハりしも国風(こくふう)ゆへと感(かん)じけり元日(くハんじつ)先(まつ)餅(もち)だんこなと を油煑(あふらに)になしこれを祝(いわ)ひ夫(それ)より男女 衣服(いふく)をあらため 礼にいづることさしてかわりし事もなし何国(いづく)にても年(とし) の始(はじめ)ハいわひ壽(ことぶく)〳〵といへど此国にてハ大卅日の夜(よ)別(べつし)て酒(さけ) を呑(のみ)詩(うた)をうたひ祝(いわ)ふことなり扠(さて)人々(ひと〳〵)日々(にち〳〵)なくてかなハぬ ハ食用(しよくよう)にして尚(なを)あまり有此国 家々(いへ〳〵)又は旅宿(りよしゆく)などの