翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 51

ページ: 51

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【右丁】 行(きやう)の内にも礼あることその師(し)たる人の能(よく)教(おし)ゆべきことなり 取(とり)わけ日本(ひのもと)ハ神国(しんこく)にて皇(すべらぎ)の御 教(をし)へ正(たゞ)しく異国(いこく)よりも 君子國(くんしこく)と称美(せうび)せしとかや扠(さて)また安南国にも政(まつ)り事(ごと) たゞしきゆへに民百姓(たみひやくせう)に至(いた)るまて禮(れい)を正(たゞ)し敬(けい)をなし 孝(こう)を尽(つく)すこと日本にかわりし事なしといへど水(すい) 土(と)のなす所にや男女(なんによ)座(ざ)することにかわりあり其(その)品(しな) の一二を言(い)へバ家々(いへ〳〵)に二階(にかい)も下(した)にも腰(こし)かけ有 平生(へいぜい)こ れによりかゝり貴人(きにん)またハ嶌官(かうくわん)の人の来(きた)ることゝいへと只(たゝ) その儘(まゝ)にて挨拶(あいさつ)なせバ来(きた)りし人もこしかけへより互(たかい)に 【左丁】 應答(をふとう)なすこと抔(など)何とやら自他落(じだらく)に見(み)へ不礼(ぶれい)の躰(てい)にみゆれ ど国風(こくふう)の一ツにて官人衆(やくにんしゆ)へ此方ども出会(であひ)候せつ手(て)を下(さ)げ短 義(ぎ)なせバ却(かへつ)てふしんの躰(てい)をなすこととかく国人ハ行義(ぎやうぎ)に 座(ざ)することもできず手(て)を下さける事もなく適(たま〳〵)すわりし 人をみれバ膝(ひざ)を折(をり)両足(りやうそく)を横(よこ)へ出(いだ)し和國(わこく)のたとへに言(いふ)への 字(じ)なりにすわることまゝあり是(これ)も暫(しばらく)あれバ両足(りやうそく)を踏(ふみ)のばし 又はこしかけへよりかゝるハ扠(さて)も珍敷(めづらしく)おもひしがよく〳〵みれバ 此国の人 膝(ひざ)ふしの骨(ほね)堅(かた)くおりかゞみ自由(じゆふ)ならず女も同じ く日々(にち〳〵)縫針(ぬいはり)うみつむぎのせつハ只(たゞ)両足(りやうそく)を投出(なげいだ)し目上(めう)の