翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 8

ページ: 8

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【右丁】 日本舩にて漂流(なんせん)の次第(しだい)難風(なんふう)にて破舩(はせん)の様子(やうす)十六人の□ 両人 重(おも)き病気(びやうき)のことまで不残(のこらす)書附(かきつけ)をもつて何卒(なにとぞ)御助下さ るゝ樣 丁寧(ていねひ)に願(ねがひ)候所 少(すこ)しもきづかい致(いたす)まじく宜敷(よろしく)取は からひ無程(ほどなく)國王(こくわう)へも可申遣まづ病人ハ此 駕籠(かご)へのせ候様被申 此時始(はじめ)て安堵(あんど)いたし今一人の病人に残り十四人つきそひ 手をひき官(やく)人の案内(あんない)に随(したが)ひ陸(くが)へ上り左右(さゆう)をみれば畑(はたけ)有 瓜(うり)茄子(なすび)西瓜(すいくわ)沢山(たくさん)に出来有 梅(むめ)などもよく実(み)のり左側(ひだりかわ)に 薮(やぶ)あり竹(たけ)の子(こ)などもことの外多し至(いたつ)て暖国(だんこく)と□霜月 下旬なれど寒気(かんき)のさわりかつてなし日本四五月 比(ころ)の気(き) 【左丁】 候にて甚(はなはだ)長閑(のどか)なり扠(さて)無程(ほとなく)半町はかり行所に間口三間斗 の明家(あきいへ)あり此内へ案内(あんない)と共に入みれハ木のすの□ なき上敷(うわしき)をしきあり上 官(くわん)ハ何(いづ)れへかかつられ官人(やくにん)両人つき 添(そひ)これより諸事書付をもつて問答(とひこたへ)へなしけりひさ〴〵舟 中に艱難(かんなん)をしのぎ凡九十日目に此所に来り十六人とも無 叓(じ)なるを悦(よろこび)けりとかふする内時刻(じこく)も七ツ下りにて下官(しもおとこ)食(しよく) 事(じ)なすべしとて茶碗(ちやわん)にかゆをもり瓜(うり)なすび梅(むめ)菜(な)の漬物(つけもの) をそへ難風(なんふう)にて漂(たゞよ)ひ身も心も嘸(さそ)労(つか)れ有べしまづ今□ かゆをたべ候事可然と書付をもつて丁寧(ていねい)にいたわり□