翻刻
【右丁】
【上段】
第八(だいはち)謡(うたひ)舞(まひ)平家(へいけ)
其外(そのほか)みる事(こと)【叓は事の古字】きく
事ほんそうのざ敷(しき)
□【にヵ】て心に染(そま)ず共
うらやかに有たく候
又 面白(おもしろ)きとてそゞ
ろき廻(まは)るも結句(けつく)み
ぐるしき物にて候
第九人の言(こと)ばの
善悪(よしあし)又は歌 連哥(れんが)
などおかしげに読(よみ)
【下段】
親類《割書:共|》間(なか)あしく成 家内(いへのうち)治(おさまら)ず
一女は常 ̄ニ心 遣(づかひ)して其 身(み)を堅(かたく)
謹(つつしみ)守へし朝(あした)は早起(はやくをき)夜(よる)は遅寝(をそくいね)
昼(ひる)は寝ずして家内の事に心
を用(もちひ)織縫績(をりぬいうみ)つむぎ怠(をこたる)へ
からす又 茶(ちや)酒(さけ)なと多呑べか
らず歌舞妓(かぶき)小 哥(うた)浄(しやう)るりな
【左丁】
【上段】
なしたるを女(をんな)の上(うへ)
にて心におかしく候
共(とも)さもなき事(こと)いひ
出(いだ)し譏(そしり)笑(わらふ)ことある
間敷(まじく)候 只(たゞ)何事(なにごと)も
色(いろ)ふかきさまこそ
おくゆかしけれ
第(だい)十心にかけて
習(なら)ふべきは筆(ふで)の道(みち)
にて候いかなるやんごと
なき御 前(まへ)或(あるひ)は人中
【下段】
との淫(たはむ)れたる事を見(み)聞(きく)へからす
宮寺(みやてら)など都(すべ)て人の多集(おほくあつま)る
所へ四十才より内は余(あまり)に行(ゆく)へからず
一 巫(みこ)覡(かんなぎ)なとの事 ̄ニ迷(まよひ)て神仏(かみほとけ)
を汚(けがし)近付 猥(みだり) ̄ニ祈(いのる)へからす只(たゝ)人
間のつとめをよくする時はい
のらすとても神仏は守(まもり)給べし