翻刻
【右丁】
【上段】
第二(たいに)賓客(まろうと)【「きやくじん」左ルビ】など御(おん)
渡(わた)り候はん時(とき)は内(うち)に
いかなる心遣(こゝろつか)ひの事(こと)
候とも聊(いさゝか)その気色(けしき)
を表(あらは)さず何(なに)となれ
うち向(むか)ひ月(つき)雪(ゆき)花(はな)
時鳥(ほとゝぎす)何(いつ)れ其(その)折(をり)に
ふれたる物語(ものかたり)などし
て懇(ねんごろ)にとりはやし
給ふへく候さりとて
若(わか)き人(ひと)の余(あま)り睦(むつ)
【下段】
行規(ぎやうぎ)を乱(みだり)にして名(な)をよごし
親(をや)兄弟(けうたい)に恥(はぢ)をあたへ一 生(しやう)み
を空(いたつら)に仕(する)者(もの)有口 惜(をしき)事 ̄ニ あら
ずや女は父母(ふぼ)の命(をほせ)と媒(なかだち)と
にあらざれは交(ましは)らず親(したしま)ずと
小 学(がく)にもみへたり仮(たとひ)【注①】命(いのち)を失(うしなふ)
とも心を金石(きんせき)の如(こと)にかたく
【左丁】
【上段】
まじげなるもよそ
目いかゞ有まいらせ候や
唯(たゞ)何(なに)となく准(なぞら)へて
角(かど)しのぎなきやう
にあひ〳〵敷(しく)候は事
あらまほしく候
第三(だいさん)召仕(めしつか)ひの人
疎(おろそか)にて何事も思ふ
やうにならず候はゞ
忍(しのび)やかによまひ言(ごと)を
もいひ聞(きか)せ給ふべく候
【下段】
して義(ぎ)をまもるへし
一 婦(ふ)人は夫の家を我(わが)家とする
ゆへに唐土(もろこし)には嫁(よめいり)を帰(かへ)ると言我
家にかへると言事也 縦(たとひ)【注②】夫の家
貧錢(ひんせん)成共夫を怨(うらむ)べからず天より
我(われ) ̄ニあたへ給へる家の貧(まづしき)は我
仕合の凶(あしき)故(ゆへ)なりと思一度嫁し
【注① 「仮」で(たとい)とする例あり。「仮令(たとい)」から「令」脱落の可能性もあり】
【注② 字面は縀。旁は誤記ヵ】