翻刻
【右丁】
【上段】
千秋万歳(せんしうばんぜい)を保(たも)ち
給ふべく候扨又 無(む)
念(ねん)の事をもさの
み思ふべからず唯(たゞ)浮(うき)
世(よ)の有さまをつく
〴〵見聞給ひ心
をものどやかに過(すご)し
給はゞ行末(ゆくすへ)善(よき)事
のみにて有まいらせ候
つらけれど恨(うら)みんと
はた思ほえずなほ
【下段】
の勤(つとむ)べき業を怠るへからずもし
嫜の令(をふせ)あらは慎行て背(そむく)べか
らず万(よろづ)の事嫜 ̄ニ問(とふ)て其教に
任([ま]かす)べし嫜若 我(われ)を憎(にくみ)そしり給
《割書:共|》怒(いかり)恨(うらむる)る事なかれ孝(こう)を尽(つくし)て
誠(まこと)を以つかゆれば後は必(かならず)中(なか)能成(よくなる)者也
一婦人は別(べつ) ̄ニ主君(しゆくん)なし夫を主人と
【左丁】
【上段】
行末(ゆくすへ)を頼計(たのむばかり)ぞ
人の妻(め)の余(あま)りねた
みの終(おは)りこそ二人の
恥(はぢ)をあらはしにけれ
【下段】
思ひ敬(うやまひ)慎て事(つかふ)べし軽(かろ)しめ侮(あなどる)
べからず惣(そうじ)《割書:而(て)》は婦人の道は人 ̄ニ従(したがふ)に
有夫 ̄ニ対(たい[す])るに顔色(がんしよく)言葉遣(ことばつかひ)い【語尾の重複】
いんぎんに謙(へりくだり)和順(わじゆん)成べし不忍(いぶり) ̄ニ而(して)
不(ふ)順なるべからず奢(をごり)て無 礼(れい)成
べからず是女子 第(だい)一の勤(つとめ)也夫
の教訓(きやうくん)有は其 仰(をふせ)を叛(そむく)べからず