翻刻
【右丁上】
とたちまち/心(こゝろ)
にむほんさざし
どうがなして/手(て)に
/入(い)れんとさま〴〵
にしかけて/見(み)
ても/人(ひと)なる
/田舎育(いなかそだち)
いゝとしを
【左丁上】
していながら
やゝもすれば
/顏(かほ)をあかめ
/物(もの)はぢをして
/尻込(しりごみ)がち、/先(さき)に
/一向手(いつこうて)がなければ
/此方(こつち)にも/手(て)の
/付(つけ)やうなく〔印へ〕
【右丁下】
〔印より〕/取附(とりつく)
/嶋(しま)もなきもの
から/詮方尽(せんかたつき)て 〔月ノ四〕
【左丁下】
/身(み)を/横(よこ)にし/月(つき)を/詠(ながめ)て
いたりしが「いつまで
/草(ぐさ)のいつまでもト/小(こ)
/声(こゑ)でうなる/五大力(ごだいりき)
もとより/美音(びおん)の/事(こと)なれば
/此声(このこゑ)に嚊(かゝ)はきゝとれ/耳(みゝ)を
すませるありさまにして
やつたりト/猶(なほ)も〔次へ〕