翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 101

ページ: 101

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として一日も出家させておかすたとへ天竺唐土ニてはいか様にも あれかし日本にては堂塔寺の製は国の衰微にして万民苦 しみなる事必定ならは慈悲の心ある仏いかて是非これをな さんといはんや草庵を結て山中に籠り行ひすましており学 問を勤めて人の迷ひをとき慳貪を和らけあらそふて人道 を破らす神道をうはいとらすは幸に司徒殺【教?】官のたくい にもあらん欲心と我侭【慢?】とたにならは談合つくにても事ゆく へし許由堯舜に背き楚狂【楚の狂接與】孔子を非とし巌子陵 光武に従わされ共欲なく我なきか故に何の害もなし武士云 山沢の奉行の裁判はいかゝ仕候や社家云いにしへは天子は天下の 名山大川を祭り給ひ諸侯は其国にある山川を祭給ひき 故いかんとなれは山沢気を通して流泉を出し欲雲雨を起して 風雨をなす者は山川の神也五日に一度風吹されは草木に虫 付病生す十日に一度雨降されは草木菜穀の養全からす* 山は草木を生し菜種諸賃【貨?】を出し流水を出して田地を 養ひ不通をわたす此故に山川を天下の本とす本の恩 を報する道理にて是を祭る也若年旱する時は人事 の神道に不叶処あらんことを考へ悔さとりて其あやまちを 神に告て雨を祈又長雨する時は人のうらみ有か民の困 窮するか人気の天に感する者あらんことをはかり其非を改 めて晴を祈る如此世に重んする山川なれは其神徳をま して損せさらんとす此故に流泉の出る源の山の木を伐らす