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には塩かつてやけぬ物也塩浜多くても用にたゝす雨年には旱
年の五分一も塩は出ね共世中はとかく続く也塩故に人民
の迷惑するといふ事はなし其上物には分数有物なれは大水
ことに塩浜の堤を破り塩のやかれぬ事多し塩焼も迷惑に
及ぬ陶作塩浜等は山沢の奉行の司とりて諸侯の国〻といへ
共国主の心侭にせす況や山川の理に於てをや武士云次第
に人多く成侍れは新田は起して能御座候哉社家云上より考
有て起し給ひ人を上のさうさにて入給ふは能道理もあり下ゟ
望てひらくは大に天下の害と成也故いかんとなれは其新田を
望て何もなきあらたなる処へ行ものは富なる者ならては
入事をえす其富なる者はいつ方にゐても身を過かねぬ者
なれは救にもならす只さへ屋の多過たるに本の屋は人にあたへ
て新田にあらたに屋沢山に作ならへ作人をかゝえこやしを
買こみぬ只さへ作人の奉公人に不足成に富人にかきとられ
只さへこやし不自由成に富人に買取られぬれは昔の土地は
いとゝ不出来に成り本百姓はかしけぬ今は山野あれて下木下
草とてこやしの為に切入へき様もなし牛飼葉さへ有かね釜焚さへ
不自由成事也いとゝさへ屋根ふくかや不自由にて迷惑するに茅
野を新田にとられ抔すれは富人は弥富て奢を極め山野を
あらし貧人は弥貧に成行也かくの如くなれは今の新田開きは
天下の衰微とはなれ共国家の益にあらす君子は上へとりあくるを
以益とす武士云上より被仰付て新田の能道理有ことはいかゝ