翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 103

ページ: 103

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には塩かつてやけぬ物也塩浜多くても用にたゝす雨年には旱 年の五分一も塩は出ね共世中はとかく続く也塩故に人民 の迷惑するといふ事はなし其上物には分数有物なれは大水 ことに塩浜の堤を破り塩のやかれぬ事多し塩焼も迷惑に 及ぬ陶作塩浜等は山沢の奉行の司とりて諸侯の国〻といへ 共国主の心侭にせす況や山川の理に於てをや武士云次第 に人多く成侍れは新田は起して能御座候哉社家云上より考 有て起し給ひ人を上のさうさにて入給ふは能道理もあり下ゟ 望てひらくは大に天下の害と成也故いかんとなれは其新田を 望て何もなきあらたなる処へ行ものは富なる者ならては 入事をえす其富なる者はいつ方にゐても身を過かねぬ者 なれは救にもならす只さへ屋の多過たるに本の屋は人にあたへ て新田にあらたに屋沢山に作ならへ作人をかゝえこやしを 買こみぬ只さへ作人の奉公人に不足成に富人にかきとられ 只さへこやし不自由成に富人に買取られぬれは昔の土地は いとゝ不出来に成り本百姓はかしけぬ今は山野あれて下木下 草とてこやしの為に切入へき様もなし牛飼葉さへ有かね釜焚さへ 不自由成事也いとゝさへ屋根ふくかや不自由にて迷惑するに茅 野を新田にとられ抔すれは富人は弥富て奢を極め山野を あらし貧人は弥貧に成行也かくの如くなれは今の新田開きは 天下の衰微とはなれ共国家の益にあらす君子は上へとりあくるを 以益とす武士云上より被仰付て新田の能道理有ことはいかゝ