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とかや或時【寸】落_二桐新月_一といふ題にて〽ちらせ猶見ぬもろこしの
鳥もゐす桐の葉わくる秋の三日月 此歌によりて多藝郡大塚
にさすらへせらるとそ〽中〳〵になき玉ならは古郷へ帰らん物をけふの夕
暮 此歌によりて召かへさるといへり
美濃の枕詞聞書全集三《割書:ニ|》曰万葉十三長歌ニ云もゝくきねみのゝ
国の高北のくゝりの宮にとよめり百茎根三野とは案に是は百
くきのみのといふへきかこゝめといふ草のくきをとりて残か蓑に
作る也ねとのと五音かよひたれはもゝくきねといふなるへし百
茎の蓑也もゝは多かる数也くゝりの宮万葉には八十一隣宮
とかけり彼集の文字遣ひの習也日本記には泳宮(クヽリノミヤ)と書り
景行天皇此宮に行幸し給ふ由有又万葉集十三にもゝさゝの
みのゝ大宮と読る歌もありさゝめといふへきを文字のあまれはもゝ
さゝのといへる成へし大君とは人の名也私云もゝさゝのみはさゝの
実(ミ)とつゝけたるか篠(サヽ)には実のなる故也笹の多き事をは此集に
道のべのゆさゝか上になとよめるゆさゝは五百篠といふ也さらば
百篠(モヽサヽ)ともよむへし云〻愚按に藤川記に〽あまころもみのゝ中山
越行は梺にみゆる笠縫の里云〻 雨衣蓑(アマコロモミノ)とつゝけよめり
十八郡拾芥抄ニ云美濃《割書:上|近》十八郡○ 多藝(タギ)〇 石津(イシツ)〇 大野(オホノ)〇 太樔(モトス)○ 席(ムシロ)
田(タ)○ 方縣(カタカタ)○ 池田(イケタ)○ 厚見(アツミ)○ 各務(カヽミ)○ 山縣(ヤマカタ)○ 武義(ムギ)○ 郡上(クンミヤウ)○ 不破(フハ)《割書:府|》
○ 安八(アハ)○ 加茂(カモ)○ 可児(カコ)○ 土岐(トキ)○ 恵奈(エナ)《割書:田万五千|三百四丁》云〻本の侭うつしたる
所かくのことし仮名又しかり安八にアハとつけたり常にいふアンハチは
耳にたてり太樔(モトス)不審本の字を誤なるへし
【右頁書込み】
《割書:詠歌奇談抄と号て|一書あり》
《割書:それに此弁|此歌あり》
《割書:しかしなから|大塚の事》
《割書:みえす猶|可考》
《割書:聞書全集は|細川玄旨》
《割書:随筆也|再按に》
《割書:百茎根は|三埜といふ》
《割書:枕詞也百|さゝといふ時》
《割書:は実といひ|かけたる也》
【左頁書込み】
《割書:百茎根は|もゝくきの根》
《割書:のある野といふ|事也三野》
《割書:といふ事は青|野 多藝野》
《割書:各務野也|しからは玄旨》
《割書:法印の説も|よろしからす》
《割書:おしはかりの|説とおほし》
《割書:可児ノ仮|字カコ》
《割書:と書りカニな|らんか考へし》
《割書:前にいふ三野|の弁もし》
《割書:大野 普?野|多岐野にや》