翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 35

ページ: 35

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當耆(タギ)の七坊の跡或云堂の原の等乃寺(トウナイシ)津屋の慈眼寺栢尾山  観音寺 椿井山(ツハイサン)㔟至寺威徳山龍泉寺也是に乙坂山天  喜寺栗原山清水寺を合せて七ケ寺と云紀州に甲(カウ)坂有  いつくにも甲乙の坂あり中むかしの唐書のわたり来るより以来の  名也 沢田○駒野○桜井○津屋○沢田の里は石津郡に有頓阿法師か歌に  〽月やとる沢田の面にふす鴫の氷よりたつ明かたの空〽長閑さや  沢田に登るさゞれ蟹 読人しらす〽さはにあるうちは名たゝぬ  あやめかな加賀の尼千代女か歌也名産柿他村沢田柿と称  駒野支考か句に〽麦蒔や駒野の里の馬番共かき  桜井〽きさらきと春さりくなる名そしるき花咲匂ふ桜井の里  右田中道丸津屋はいにしへ問屋の跡にて今の質屋の類ひ也 表佐里(ヲサノサト)○真桑ノ氏神今の業平川より東を本津村とす川より  西はいにしへ藍染川の流ありて里にはあらし宗祇か千句に名高し  遠佐(ヲサ)と書りいつれも世にいふ万葉仮名也正字は尾吉(ヲサ)ならん吉(エ)  をサとよむは古例也不破郡にあり又桑村といふ処あり桑瓜(マクハフリ)  を大江戸に奉る則名産也此里の神社は物ノ部大明神也里  人は皆守屋を姓とす然共不知拠可考正いか成守屋のゆかりにや 醸家(サカヤ)の標杉吾国人酒を造るに必松尾の明神を祭るいと〳〵いぶかし  此事を余国の人に尋るに邂逅にかゝる類ひも有ける由語伝んぬ  浅間敷祭ならすや抑酒は神代に初りていつれの御神と定かたし  古事記の中にも山岐大蛇を亡し給ふ時はしめて酒の事あれは 【右頁書込み】 《割書:天喜寺は|今一ノ瀬|の里にあり|慈眼寺清水|寺もやらあり|其外は皆|廃寺也|龍泉寺抔も|龍泉廃寺|村と書へし》 《割書:是より以下|は頭書|なり》 【左頁書込み】 《割書:表佐|一名|千句之里と云|宗祇ノ千句|ヨリ名付ルカ|俳師■狂か|句ニ|はせを忌や|千句の里の|名も千句》 《割書:松尾明神は|大山咋神也》