翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 37

ページ: 37

翻刻

 事見あたり聞あたりてかなしく思ひし事度〻也きしかあれ共  田圃の中の一木にのみわつかに其名残れるよりはるかに  まさりて覚ゆるそかし 百八里の古語?堤は謹也洪水をつゝしむの術也其堤を築?て  中に百八里あり里人夜なべに集ひて粟なとを碓に粉  なす細かにして食の足とする也其時歌をうたひしらべを  つれて小夜更るまてめくらし少女に少男の入ましりて添歌  などして楽しむ後隣なる家に行て右の咄して遊ふ事とせり  相互にいふこよひ夕まくれより入かはりてよみ歌一くさり返し  歌二くさりはかり長歌みしか歌取まぜて夫地も動くへしと  うたひつる事の嬉しさよととり〳〵笑を催しぬと語あふよし  此里人の咄しけり此一くさ二くさといふは古しへ一首(ヒトクサ)二 首(クサ)にて里文字は  例の休字ならん玉あられ集に一 歌(ウタ)二 歌(ウタ)とかけるは片歌一家(カタウタノイヘ)  万葉家(ヤマトウタノイヘ)などにとらす去なから本居の翁かいふめること一歌とふ  事も其ゆえよしなきにあらす後にみん人其よきかたをとりてよ 遊婦毛濃神 北美濃の根尾といふ所に宮代有祭神稲荷  大明神土人社の前に拝みて二道の事を決して瑞あり  といへり按に拾芥抄云 夕食歌(ユフケウタ)と書て〽ふけとさやゆふけ  の神に物とへは道行人ようら正(マサ)にせよつげの櫛を持て女  三人辻に立むかひ午の年の女午の日占ふ事也右の歌を三  反吟しその辻に洗米をまき櫛の歯をならす事三度  後より来る人を内人(ウチト)とて答ふるものに定ぬ我か向より来る 【左頁書込み】 《割書:宮代と云は|御屋城也》 《割書:故国ノ司|ヲ何〻ノ》 《割書:守ト云|其守ノ居》 《割書:ヲ城ト云也|百磯城ト》 《割書:云モ皇|御神ノ》 《割書:在所ナリ|      米ヲ打巻ト云コトハ洗米ノ義ナリ 打巻故ナリ》