翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 64

ページ: 64

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ましけれ武士云先に神も此地におはしまさぬと承りたる事 はいか成故にておはしますそ 社家云畜生国の教をうけ 迷へるもの多きに又いよ〳〵畜生なる南仏にとられんとする 也釈迦の生国は西といへ共南天竺にて南蛮と相通せり 幻術は南蛮より作出し仏心の法は釈迦よりいへり釈迦は 妖術を習て仏法を弘め南蛮は釈迦の仏心の伝をかり て妖術をかされり吉利支丹と釈迦の法とは不二の二不 一の一也只立法のたかひ有のみ也物には先はしりといふ事 ありふき草生せんとては蕗薹出るかことし日本も南仏に とられんとて先西仏にとられぬ其前表には日本は神国 なるに神社よりはしめて十か九は仏者のもの成ぬ空海 といふもの出て西仏の味方と成り神を尊ふ様にもてなしてかしや借 て表屋をとりぬさびたる神はしらす少しにても知行有宮社に は社僧のおらぬは少なし伊勢には社僧といふ者なけれは出家の 富なる者共引こみて神領をかひ取多くは坊主の知行と なりぬ其上に上人と名乗する比丘尼ゐて御師の旦那 も頓て奪ひとらんとす御師も文盲第一の者共多ければ 己か元をは失て坊主の偽を信し天照太神の御本地はおあ みたにて御座有抔といふ皆〻後生を願ひ太神よりも仏 を尊へり坊主の法に習て只物をほしかり貪るのみ也昔 よりの大禁成に銀を取ては仏者をも神前に参らせぬ此 穢に依て太神宮も此地を去給ひぬ其しるしには先年