翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 65

ページ: 65

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火災の為に古き神木多くやかれ五十鈴川の流もそれ共見え すまた洪水に埋れて霊地もかはりぬ内裏には仏者の賎しき 者を召て高坐に上せ天子の御座よりも内侍所の唐 櫃よりも高くあげ給へは神国の威光はなきかごとし此故に 昔度〻の兵乱急成火難にたに全かりし文武礼楽の 霊器一時に亡たり吉田は日本の神道の本なるに近き 後には人焼所をなし昼夜穢の烟をあげ悪臭神 社にみてり風に依て禁中にも来て内侍所穢せとも 仏者の勢ひ強きに憚るか迷ふて心も付ぬか誰咎る者 もなし抑当社は人皇十六代の王にておはします仏法は人皇卅 代に当て渡り侍れは夢にも知しめさぬものを男山へ非礼の 勧請をなすのみならす菩薩号を付ていかめしとおもへり天竺の 畜生国にては鳥なき里の蝙蝠にて釈迦を世になき者に 尊信する也其私に立たる学習の心の位の空名なれは仏 如来といふ共うるさかるへきに菩薩といふて尊ふと思へる こそはかなけれ銅の焼たる火焔の上には坐し給ふ共穢れ たるものゝ所には居給はしの御誓ひも有今の社僧の非礼 の穢にはいかてか八幡宮はおはしますへきや 武士云或云上に 悪なくおはしませは是ほど末に成ても御代はいまた続き 給んか尊氏も十二代はつゝき給ひし程に御当家も十二代は 御つゝき可被成と申侍り社家云よき事にも名代といふ者 ありあしき事にも亦同し今時大に不仁無道にして悪