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ろきたつて催し有ての事也其ほどけさまは思ひよらぬ事より
初るもの也諸大名の作法の乱よりほぐれんか坊主の奢より
発らんか飢饉の盗賊より乱れんか乱るへき端はいくつも有
大に能はならす共大名中名の乱行を止給はんは源をふさ
く計にて先とゝむへし飢饉の手当は法有事也坊主の
乱を鎮め給はんの御仕置を可被成は今也如此ならは頓て
日本半分は出家と成へし然は天下主の侭にも天下は成まし昔
の山法師の如く帝王の命にも随はす難儀被成し様に成
へし叡山を打破り少くし給ひしは信長公のあやまち
の高名也日本の為にはよき事を被成たり此善行一にて
信長の子孫は小身に成ても続き侍らん山法師は鬼と申候へ共
鬼にはあらて仏菩薩也いかんとなれは仏の法に大に背て無道の
奢を極めぬれは真の仏法よりいはゝ内魔の仏敵也其上
鬼に亡ほさるゝ仏法ならはしられたり仏の力今少したらて高野
を潰されさりし也此後高野を潰すほとの器量の人有
ましけれは見て来たる程の天下をとる人高野の仕置にあぐ
まれ侍らん一所にても天下取の命を軽んする者あり上より
も手をおいて令し給ふ事自由ならねは夫より天下の威
は分れそむる物也昔は王者の威も山法師を自由に得
なされすしてその弱み天下の者内兜を見て乱そめたり後には
方〳〵に我侭をいふ坊主有へし天下も亡ひ坊主も亡ひんとて
思ひよらぬ災出来なん方〻この要害の地坊主共方へ多