翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 70

ページ: 70

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下〻の事委不被知召候故也民はあまたの称也其上貴賤 を養ふの本也天命のかゝる処也天下の本といひ大勢と いひ民の苦しみ歎事世はしまりて此かた今の時程甚し きはあらし此故に天命改まらんとすれ共 公方様并御老 中に御心と被成候剛悪おはしまさぬ故に御改被成なば御代万〻 歳続かせらるへきとの御さとしに天災地妖たえぬにて御座候 よからせんとの天道の告と可被思召候其上大名等【小?】名并に 武士たる人の心根日〻にあしく成事崩るゝか如し今程 人心の悪敷成事は日本初りて有へからす天地は人を以て主 とし給へは人心如斯乱ては代の危事近きにあり武士云 多年の天道の御さとしにも驚給はて乱世とならは諸大 名の中よりや起り侍らん社家云いや〳〵思ひもよらぬ事我身の あつ火をはらふへき程の者たになし大なる望をかけん事は 沙汰にも不及気違はしらぬ事也只乱世の端と成へき第一 の目当は飢饉也昔もきゝんは有つると覚えるへけれ共其時 は天下のかたらて有余有し也今は天下の根くつろきゆ るきて有余なし遊民の多く成事年〻に数万人也みな 飢饉の盗賊成へし農に利なく且からき事地獄の作り ことの如し此故に農人に成事をいとひて様〳〵の遊民と成ぬ 夫をはしらて百姓くつろきて奉公人なしといへり猶又奉公 人の少き謂を語りて聞せ侍らん田地を抱へたる百姓を 奉公に出せは田畠の作ならぬ故にいつれの国郡も高をかゝへ