翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 79

ページ: 79

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に被成候はゝ女奉公人除る程有へし徒に米を費すのみならす 国郡の妨をなす事挙てかそへかたし或云近年米の酒に 潰るゝ事夥し先年酒半分作り候へとの御法度故酒の代 を高く仕候へとの儀にて酒は例年より多く作り直は高し 酒屋たるもの大に富に成たり酒に利多くと見えてとかく言 まわしてう儀して多作りぬ来年の米は高く安くと極月中 の米を中分してそれに二割の利を懸積て夫より高く 売せぬ様に被成候はゝをのつから酒の数もへり行可申候武 士云平家は奈良の伽藍を焼て其報に亡ひ信長は叡 山を潰し高野をも潰さんとし給ひし処に調伏の法を行ひ たれば七日にあたる日明智に殺され給ひし如此なれは仏法の しるしあらたなる事歟と存候社家云愚痴の坊主のいふ事をのみ 世中に聞ふれ侍れは本の正理を不知也平家は清盛の悪逆 無道積り一家の奢長して天罰を以亡ひたり奈良三井寺 等の坊主の出家の道をは失て武勇を事とし戦を好み 侍る故に宮にも頼れ給へり其道にあらぬ振舞に依て是も 罰にて焼れたり然共平家は我身の罪をかへりみるへき所に さはなくて奈良三井の坊主の罪のみ咎しは愚痴之至也天 道に省きたる罪有ことはいはで寺を焼たる故と計いへは識者 の耳には心得ず又信長の明智に殺され給ひし事は其身武 勇の達者のみにて文道を知給はす取立の心安き者なれは とて城主にもなし給ふ者に人前にて恥かしめをあたへ其後