翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 80

ページ: 80

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家康公御馳走の亭主被仰付夥しき振舞の用意をさせ 其最中に備中高松の後詰被仰付しかはとかく使はるゝは身の 難ほと有まじきと思ひて恥かしめのすゝぎがてら謀反したる 也明智に有ては重〻罪なれ共信長公も亦罪あり叡山高 野の事なし共必此の災有へし信長公のとかく長久成間敷 凶徳をはいはで叡山高野の故といふは愚か也又信長を鬼と いふは猶はかなし鬼に亡さるゝ仏法ならは衆生を救はんと いふも非之今の加賀殿の先祖は北国にて叡山高野にも劣 らぬ大寺を合戦して悉く打亡し悪僧共の首多く切懸 られぬしかれ共其身に悪逆なかりしかは却て三ケ国の主と なりぬ是をは伽藍を亡したる利生といはんか利生にも非す 只有へき道也平家も奢と無道となくは宮も御謀叛あらじ しからは奈良も焼れし信長も其身仁義おはせましかは明智か 難もあらじ天下は程なく手に入へし叡山は奢に依て自 滅すへし武士云世間の人の申伝には唐僧の来りたる後に飢 饉か兵乱か有之候昔よりの前表一度もはつれなく候又大仏 建立も日本の不吉と申侍り拙者の存候は唐僧の来は日本 の仏法佛も正しく成へき程に能事也大仏も昔より有来の 物にて侍りぬ此二色にて世中の凶事とは道理の聞えぬ事 にて御座候社家云唐僧を招き大仏を建立被成事は 今はしらず古へは愚痴か無分別かの間より出たる事にて 侍り聖武帝の大仏建給ひしは愚か也秀吉の今の京