翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 82

ページ: 82

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   宇佐問答下 武士云今迄我等共の何事そあれかな手柄をしたきと願ひ 申て当社に頭を傾け侍りし事は仰を承て倩思ひ候へは ひか事にて神の受給ふへき道理にあらさるは儀さとり侍りき 然は御当家御長久にて世中静ならんこそ願はしき事ニて 御座候引かへて又天下静謐の祈を致し度候但公方の御 扶持も受申さぬものゝ願には過たる儀にてや侍らん社家云 さし出て人にも語らはこそ其位にあらさる罪もおはしまさめ 御扶持受侍らぬ者とても皆公方の御恩にて太平の御代に 住ものなれは上の御長久を心に願ひ神に祈申さん事は何か苦 しく侍るへき又さし出かましく御忠節たてに善を告申さん事 ことあしからめ名を隠し筋目に依て人しれす善をすゝめ奉らんは 世にすむ御恩を報するの道理にもおはしまさんか堯舜の君は 草刈のいふ事にても道理に叶ひたる事は聞し召て天下の政に 施こさせ給ひし也孔子の聖人なるもわらわへの小歌迄取 用ひ給ひしときく爰を以堯舜孔子は弥聖人の名高し 後の世の小知のものゝ人に教へられまし智もなき様になとゝ 憚りて人の善をとらさるは終に其国亡ひて愚痴不徳の悪 名を流しぬ唐日本共に此鑑明らかなれは誰か堯舜孔 子を背いて愚痴に随ふものあらんや今の君臣は堯舜に習 はせ給ひて能下〻の風説まても聞しめされ候へ共申上る儀の可に あたる事稀なれは君臣の御心明らかにおはしましてえらはせ