翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 84

ページ: 84

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侍らん昔唐土にて都を立ん処を見廻りしに一人の大臣は海川の 通路よき地を見たてぬ一人の大臣は海川の通路なきにもあらす 又自由にはなき地を見立ぬ諸人みな此通路よき地に 同心す一人の云不然自由なる地に都を立て城を立れば 商人次第に富て士大夫次第に貧しく成者也士大夫貧しく なれは民国窮する者也民国窮して農に利なけれは遊民 次第に多く成もの也遊民多くなれは奉公人少なきもの也 商人の手に天下の財宝集る時は諸色の売買物高直 に成もの也売物高直なれは諸侯大夫士の大身小身共に財 用たらす財用たらされは民にむさほる故に民国窮す民 苦んて農作利なく商人の手まわし自由なれは田畠を捨 て商人に付ん事を願へり町人の富るはのふらくを事とすれは天下 の風俗みたれて遊民多し一度遊民と成たる者は心それて人事 をいとひ奉公せんことを願はす此故に禄を受る人は大身小身 共に日〻にすり切町人は日〻に富て富諸侯の上に出るといへり 日本にても神武皇帝の都を難波の津に建給て大和の国中の 通路あつて自由ならぬ地に定給ひし事は深慮おはしまし たるなるへし又日本の中昔七堂伽藍を建し時智者あり なけきいふ千里四方つゝかぬ国には虎すます百里四方なき国 には狐をらす仏法の大仏伽藍は天竺中国の大国にて作出 したる物也それたに聖人は たかき(、、、)屋(、)ゑかけるかき(、、、、、)は亡国の の相也と仰られたり況や日本の国を幾つも合せたる程成