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はてゝ詮方なけれは百姓をしほり取より外の事はなし百姓も
かし【悴】けて取へき処なけれは又借銀をして其利にとられぬと
にもかくにも武士の米穀金銀は畢竟皆町人の物と也ぬ扨その
商人は思ふ侭の奢を極めゑよう【栄耀】を尽し不作法を事とし
天下の風俗をみたりぬ国所よく物成浮所務【ふしょむ】多き大名中
名は是を羨みて国持の作法も忘はて武道の心懸も失
て乱行遊楽を事とせりえようの奢にはいか程有ても
あまりなしかへりて借銀多出来るもあり国処よからぬもわ
かき大名中名はなるならぬの計方なく乱行遊楽を事と
すれは民に取事法なし爰におため【御為】者といふ者も有其上欲
深く無功なる者の取ことのみ知たる者を代官役?にすれは田畑
に物の有無の計方もせめとりぬ五穀を作り出して天下の貴賎の
養ぬる民をはかへりて大罪人の如くあいしらひぬ国命は民に
あり民命は食にありとこそ聞に我を養ふ者を苦しめ
其民の命とする食を奪取は此天罰はきゝんゟ乱世と成
へきかく民を苦しむる処の畢竟は町人の手くろの謀悪より
発る也商物の利は弐割を以至極とす二わり取てはいか様に
も世わたらるゝ物成にえようの驕に遣ひ合せんとすれは三
割ニても不足爰を以或は五割或は一倍十倍の利を取
んとすれは手くろに成ぬ此故に天罰にてその商人も程
なく損亡したふれぬ或は博奕わる狂ひに破るゝも有又其
奢乱行を利として富に成ものありめくり〳〵て財用の権は