翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 90

ページ: 90

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利よりは一艘ニて十倍もとりかへしぬ甲州の葡萄を所にて 買切馬百駄あれは廿駄程江戸へつけ八十駄は深谷へすて ぬ百駄なから付たるよりは三はい五倍の利をとりぬ其代の 銀こそめくりて日本にもあらめかくて物を空しくなし武士を 迷惑させ民を困窮せしむる事は其罪死にも入られし 魚とぶどうの二色にて万の物は知り玉へか様の者共か邪智 深くて色〳〵に手をまわし物もいひそふなる方へは前おきを すれはかゝる悪逆も上へ達せず畢竟上の御冥加のへり御 運の縮る事こそ歎かしけれ武士云仰を承候へは商人の如 此天下の利をあらし米穀金銀財用の権をうはひ取たる 事はもろこしにも日本にも此時より甚しき事はあらし然共 仏氏の堂塔伽藍を以て日本を衰微せしむるの害とはいつれニて 侍らん社家云商人の害も本は仏氏より出て又仏氏を助 る事甚し仏氏の害も天地ひらけて此かた唐にも日本に も此時より大成はなし夫をいかにと申に昔は天下のものゝ信 に任せて上より一同に仏氏に帰し給ひし被仰付はなかりし也 夫故に仏者もおのつからたしなみ有き其侭ニて置なは今 時分は旦那寺を持ぬもの天下半分は有へし坊主も今の 半分寺も半分ならては有ましけれは天災地妖の禍も 如此有へからす商人の民と武士とを迷惑さする事も如此急 ならし近年は切支丹の御法度故に人の信もなき仏法又 再興していやともいはせす天下おしなへて旦那を付玉へは坊主共