翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 91

ページ: 91

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は戒律のたしなみも入らす学問も勤めす只切支丹にかゝりて心や すく世を渡り魚肉女色酒まても自由成事在家に超 たり教へすして其侭置は誰も恥の心のなきものはなし悪人 といはれて安んする者はなし然るに今の人の師となる坊主 共かへりて欲心深く無作法悪逆なれは中〳〵に打破りて 各我等如きの凡夫は慈悲善行をなして戒律堅固にて 仏に成事はならぬ故にあみた仏の憐給ひて只一念南 無阿みた仏とだに唱れは其侭すくひ取給ふ頼もしく思 ひ給へ憖【なまじひ】に智恵をおこして善をつみ律をたもたんと 思ふは難行也地獄の業也といふ又日蓮坊主は法華は 大乗妙典【法華経】也慈悲善行戒律抔をなして成仏するといふ 事は小乗注の旨也かへりて地獄に落る也只一声ニても妙法蓮 華経と唱る時は主親を殺したる虐人にても成仏疑なしと いふ浄土宗日蓮宗仇敵の如く争へ共坊主の不埒儀 無道なると旦那を悪道にすゝめ入との実は割符を合 たるかごとし旦那共も慈悲をすれは物も入けんどん【慳貪】なるは勝 手にもよし善人と成はむつかしく不善人を安んするは心安 し幸に人の師となる坊主のゆるす事也欲悪なから 仏と成といへは恥とも思はす今は万人に一人慈悲善行なく ては成仏かたしといふ出家あれは気違ひの様にいひて其 寺へはゆかず禅宗は悟たにすれは何をしても不苦といひ 謡ふも舞も法の声といひて歴〻の大名中名に不作法