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の許しを出す也たゝに気随不行義なるは方人なけれは禅宗
に依て気侭を遂る也本は坊主よりいひ出して今は在家
の大小貴賎共に好事なれは弥此流蔓【はびこ】れり坊主に
定たる物をやり不時の勧進にも出すかことは門役と成ぬれは
武士なとのさのみ仏法信せぬ者もぜひなく出し大名は尚以
大名役に出しぬ又女房方の勧めによりて後生の為とて
大分の金銀を出すも多し町人なとは元来利にのみさとく
て義理をしらす愚痴の至極したる者なれは兄弟親はしめ
として少の金銀を出し相助ことはせね共若後生といふ
者有もやせん此世はかりの宿也此沢山なる金銀をい
つの用に立へきと思へは堂寺の為に出す事はさのみ惜まず
誰か何方の塔を立たり堂を建立したるといはるゝ外聞も交り
ぬれは近年町人の手に金銀は集る事也町人の堂寺を大に
する事挙て数へかたし何共ならぬ賎男賎女迄も身を放
して成共仏に供養するものと聞ならへは少しツヽといへ共
天下を取集れは限りもなき事也公義にも本の天下の衰
微を知しめさねは後世の謗と成へき事は夢にも御存【「知」脱字?】なく
申上る者もなけれは少しの外聞を被思召て昔より有来たる
事也とて大伽藍大寺共絶す御建立也宮社御建立
と申せ共本社よりは脇に付たる堂塔の入用多し多くは
神社も社僧にとられて社人は彼官百姓となりぬ天下の
名山林も十にして八は仏者の物となりぬしかのみならす町