翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 92

ページ: 92

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の許しを出す也たゝに気随不行義なるは方人なけれは禅宗 に依て気侭を遂る也本は坊主よりいひ出して今は在家 の大小貴賎共に好事なれは弥此流蔓【はびこ】れり坊主に 定たる物をやり不時の勧進にも出すかことは門役と成ぬれは 武士なとのさのみ仏法信せぬ者もぜひなく出し大名は尚以 大名役に出しぬ又女房方の勧めによりて後生の為とて 大分の金銀を出すも多し町人なとは元来利にのみさとく て義理をしらす愚痴の至極したる者なれは兄弟親はしめ として少の金銀を出し相助ことはせね共若後生といふ 者有もやせん此世はかりの宿也此沢山なる金銀をい つの用に立へきと思へは堂寺の為に出す事はさのみ惜まず 誰か何方の塔を立たり堂を建立したるといはるゝ外聞も交り ぬれは近年町人の手に金銀は集る事也町人の堂寺を大に する事挙て数へかたし何共ならぬ賎男賎女迄も身を放 して成共仏に供養するものと聞ならへは少しツヽといへ共 天下を取集れは限りもなき事也公義にも本の天下の衰 微を知しめさねは後世の謗と成へき事は夢にも御存【「知」脱字?】なく 申上る者もなけれは少しの外聞を被思召て昔より有来たる 事也とて大伽藍大寺共絶す御建立也宮社御建立 と申せ共本社よりは脇に付たる堂塔の入用多し多くは 神社も社僧にとられて社人は彼官百姓となりぬ天下の 名山林も十にして八は仏者の物となりぬしかのみならす町