翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻263-264 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻263-264 - ページ 97

ページ: 97

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居なからの売買は皆米遣ひと成へし旅立ものゝ金銀少し持行 へきのみ也武士云近年の間に飢饉ゆかん事は右の御法ニて 救はれ可申候へ共山の如此荒たるはニ三十年の間には中〳〵 目に見ゆる程はえ申間敷候川〻も砂石のとまり候程には 二三十年の内には成申間敷候坊主の堂塔こそ止申候共 此天下の大勢の者の用る程は跡からはゆる事あらし然は 十年にて極まる物廿年に延可申迄の事ならむか社家云 如此ニて候へ共天下の山林十か八尽候へは十年か廿年の間にかゝ りて世乱可申積也今から政を以此乗する算をおさへ よきに置たて被成候へははや只今より天運かはり申候往と来る との違ひ也今の如くニて乗しゆかは今よりして十年の山の あれは今より前卅年に当るへし其後乱世と成なは卅年治世十年 に当るへし又九に至て変しても乱世卅年程の残りの算あり 今政を以てなをれは六十年のもとりあり其内廿年は生する よりもきる算多かるへし又廿年は切よりも生する算多かるへし 六十年には山〻三分二茂るへし九十年には大かた昔にかへるへし 本の草木のからみつよくなれは川〻次第に深く成也君 子は業をはしめ統をたれてつかしむへき事をする也武家 初まりての賢代日本の中興と成へけれは名を後世に上給ひ て目出度ためし成へし 武士云かく天下の貴賎の普く用る 材木薪をたゝ坊主のみ山林を尽すとは申かたからん歟 社家云大樹大名大臣士庶の五等の人倫は天下に有へき