翻刻
世俗病因をしらす清涼或は吐下之薬を
恐れ右様々薬を好み命を損するもの
あり可恐事なり尤此病者痧気といふ
毒か気口鼻より藏府に入暴に吐瀉す
る者也一二時にて手足冷く引つけなとす
れとも寒症とおもふべからす内は熱毒
之病也此毒内にある間ハ治する事
なく吐か瀉か汗にて外へ発し切されは
終にハ死す吐も瀉も毒の洩るゝ道なり
服薬ニて解散する事第一の心得也
若止る薬なと用ひ早く止る時は治す
べき理なし此事病家第一の心
得なり
一病人ありて医者を招く事遅くば
先南天葉塩にてもみ其汁を小茶碗
に半盃位のみ或は水又はぬるま湯
にて三黄丸を用ゆべし其間に惣身
冷れハ温石或は砂又はこぬか三升
程に塩一升ばかりかきまぜよく〳〵
ほうらくにて炙乾小きれニ包み背