東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

日本山海名産図会 - 翻刻

日本山海名産図会 - ページ 130

ページ: 130

翻刻

【右丁】  信(しん)ぜさせしにもあるべき既(すで)に俗伝(ぞくでん)に西行(さいぎやう)更科(さらしな)に住(すみ)けるときによめ  りとて   山川に汐(しほ)のみちひはしられけり秋風(あきかせ)さむく河鹿(かしか)なく也  是(これ)何(なん)の書(しよ)に出(いだ)せる歌(うた)ともしらずされども或人(あるひと)に就(つ)きて此哥(このうた)の意(こゝろ)  を尋(たづ)ぬればかしかは汐(しほ)の満(みち)ぬる時(とき)は川上(かわかみ)にむかひて軋々(ぎい〱)となき  汐(しほ)のひく時(とき)は川下(かわしも)に向(む)かひてこり〱と鳴(なく)くとは答(こた)へきされば  解(と)く処(ところ)ゴリキヽなど云(いふ)魚(うを)さすに似(に)ていよ〱昔(むかし)の証拠(しやうこ)には  あらず水中(すいちう)に声(こへ)ある物(もの)は蛙(かわつ)水鳥(みづとり)の類(るい)ならて古(いにしへ)より吟賞(きんしやう)の例(れい)を  きかずされども西行(さいぎやう)は哥(うた)を随意(ずいゐ)につらねたるひとなれはものに  當(あた)つていかゞの物(もの)をよめりともあながちに語(ろん)ずるには及(およ)ばねども若(もし)  くは偽作(ぎさく)なるべし又 万葉集(まんようしう)の哥(うた)なりとて