翻刻
【右丁】
#1
都(すへ)て藍(らん)は夏月(なつ)刈(かり)て土(つち)の上に
置てこもをかけ少しむせは青
色になるこれに砂土(すなつち)を加(くは)へて
《振り仮名:塊|かたよ【ま】り》とするを玉(たま)あゐといふこれ
一番にして上品(しやうひん)なり又 其(その)刈(かり)たる
跡の根 株(かふ)より又 生(せう)するを刈(かり)
て塊(かたまり)#2に作(つく)るこれ二番なり三
番まて製(せい)す三はんは色 浅い(あさ)し
下品(けひん)なり
#3
菘藍(すうらん)《割書:集|解》 江南大青(こうなんたいせい)《割書:清|俗》
イサキス《割書:羅|甸》 ウヱトテ#4《割書:和|蘭》
【左丁】
荷蘭(をらんた)にて染(そめ)物に用る説(せつ)あり享保(けうほ)年中 藍(らん)二種 舶来(はくらい)
す一は浙江大青(せつこうたいせい)と云即ち蓼藍(れうらん)なり一は江南大青(こうなんたいせい)といふ
即ち菘藍(すうらん)なり秋月 実(み)を下して生す葉は菘(な)に似て鋸(かゝ)
歯(り)なし粉緑色(ふんりよくしよく)冬(ふゆ)凋(しほま)す春(はる)に至て高さ三四尺 梢(こすへ)に枝(ゑた)を分(わか)ち
穂(ほ)をなして四弁(よへら)の小き黄(きいろの)花を開(ひら)く白菜(な)の如く後 扁(ひらた)き莢(さや)を
結ふ熟(しゆく)すれは黒色(こくしよく)莢中(さやのなか)に一子(いつし)あり胡麻(こま)に似たり葉(は)味(あしはひ)辛(から)し
#5木藍