翻刻
【右丁】
一種 わうこんさう
人家(しんか)稀(まれ)に栽(うゆ)春月(はる)宿根(ふるね)より生(せう)す葉(は)はきんせん
くはに似(に)て闊(ひろく)大に又 萵苣(くはきよ)《割書:ちし|や》に似(に)て緑色(みとりいろ)夏月(なつ)
花(はな)を開(ひら)く千弁(やゑ)にて黄紅色(かはいろ)形(かたち)蒲公英(ほこうゑい)《割書:たん|ほ》に似(に)たり
葶藶(ていれき) いぬなづな
又をなつなともいふ山野(さんや)の陽地(ひあたりのち)に
多(おほ)し秋月(あき)実(み)より生す葉(は)は鶏児腸(けいしてう)
《割書:よめ|な》に似て小(ちいさ)く厚(あつ)く毛茸(け)あり《振り仮名:味|あし■ひ》#1甘(あま)し
【左丁】
辛(から)く初春(しよしゆん)茎(くき)高(たか)さ二三寸 枝(ゑた)を分(わか)ち
穂(ほ)をなし四弁(よへら)の小き花(はな)を開(ひらく)#2芥(からし)の花(はな)
に似(に)たり後(のち)扁(ひらた)き英(さや)【莢】を結(むす)ふ形(かたち)米粒(こめつふ)#3
の如(こと)し中に細(こまか)き子(み)あり茶褐色(うるみいろ)《振り仮名:味|あし■ひ》#4
微(すこし)辛(から)く葶藶(ていれき)甜苦(てんく)#5の二種あり甜(てん)
葶藶(ていれき)は薺(せい)《割書:なつ|な》の実(み)なり苦葶藶(くていれき)
和産(わさん)詳(つまひらか)ならす近頃(ちかころ)救荒本草(きうくわうほんさう)の
遏藍菜(あつらんさい)《割書:くんはい|なつな》の実(み)を用(もちゆ)れとも子(み)
大にし
て悪臭(あしきにほひ)あり
一種 はたさを
#6葶藶