翻刻
りを極め武家わ武を捨そろばん枕夫を習ふ
て城下役人も下をしへたけ己はおこり昔違作
の咄しを聞に葛を掘たり磯菜をひろひ
それておのれか命をつなき年貢上納立しと
聞に今の百姓は夫とは違ひ少し違作の手
柄にても検見願ひの拝借抔と上へ御苦労懸たる
下は有の無しのと親方前は無勘定にて内
処はおこり米の黒ひは大損抔と味噌は三年
立ねば喰ず在郷村々も髪結風呂屋煎売の
小見世の床前見れは笛や三味線太鼓をかさり
役日物日の其時には若ひ者とも寄集つて踊
稽古の地芝居抔と遣ひ散して出所にこまり
壱ツ袷に縄帯懸て終に仕廻は他国へはしり
名子屋水汲奉公人も羽織傘足袋ぬり下駄よ