翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [6] - 翻刻

俗語之種. [6] - ページ 16

ページ: 16

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 大地震発して朝日山崩れ落る所の多か  中に巌のわれたるあわひより出たるものあり  物になそらへは黒羅紗に織入れたる毛に  類ひせし品なり長サ二三寸にして細き事に小  児の髪毛の如し手障りの和らかなるは真綿に  等しく毛黒く赤みも少し有りて何の薫り  もなく艶悉くありて其美なる事また  稀なり其生物を求得て地震一類?の  袋に入置なれは渡【後?】世まても捨へからす  物知りたる人に尋て其名を知へし  掛る未曾有の変災なれは人心一日も 安からすきのふと過きけふと過きゆく光陰矢ゟも 早しといへとも何ひとつ取留まりたる事もなく 昼のつかれにはやくも臥 して其苦心を 補はん事をおもふといへとも入あひ過る 頃よりは夜の淋しさを案事 煩ひ 深夜におよふときは狼の夜毎とに来りて 死骸の匂ひを慕ひ焼跡に歩行くのよし 誰ありて通路するものもなく此上の火害 盗難を恐れて小屋毎にひやうしきうち