翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [6] - 翻刻

俗語之種. [6] - ページ 19

ページ: 19

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此大河荒瀬の水の止まることはよもあらし しかりといへとも瀬音なく小川の流れ一切絶たり 何にもせよと不審晴やらす思案決せす生る 心地も無ほとなり亥の刻過にし頃月しろに 能〻すかして見るに案にたかはす犀川の 流れ一切絶たれは此大河何れへか廻りて押 出すらんなととやかくいへとも夜中の事なれは其 よし見定めかたし何にもせよ高きかたに逃 去るの外に思慮なし早〻立退て急災 遁るべしと言へも果すわれや先人にや 後れしものをと狂気の如く狼狽騒く事 尤なりし次第爰におゐて大切なる我か家の 跡戸をひとつ引寄る者もなく打寄〳〵評義の 場所より跡振返り見る者なく小松原岡田 の山にそ逃のひける折しも鳴動止まされは 地にひれ臥して天を拝し一心不乱に念仏 唱ひ明け行空をそ待わひけるか此大河を 止むるともいかてか一夜を保つへき今にも 水の押来らは家居土蔵は言も更なりいか なる大難を発すへしとみぢんもこゝろ