翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [6] - 翻刻

俗語之種. [6] - ページ 20

ページ: 20

翻刻

やすからすあきれ果てそ居たりけるいつしか 夜もほの〳〵と明け行侭に少しは心に喜ひて 己れか村〻打見やれは地震の大破は見 ゆれともいまた水災はあらされは少しは 安堵なすといへとも次第に明け行程社【こそ】何れ 打詠れは是いかに朝夕目馴てさへおそろしき あら浪の大河干揚り一滴の水ある事なし わつかの少堰に塵芥のとまり夕立の強く 降たるさへ水かさ増りて路次を損ひ道行 き脳む事さへもありけるをかゝる大河の 何ゆゑにいかなれは止まりぬるやまたは 地割れて流水の世界の底に落入ぬるか 実否をしらされは恐怖する事なほ増りて たゝ〳〵あきれはてたるより外に思案はな かりけり折しも時の移りけれとも人と成 たるは苦心に腹のへりたるも打忘れたれ とも幼少の者は其弁ひなくものほしけなる 有さまなり子を見る事親にしかづ爰に おいておもひ〳〵に談交して老人 女小児をは此所に残し置壮年にして