翻刻
人命を助け赦ひ昼夜暫時も御休足だに
ある事なく 御城下町を 御見分あり其夜
よりして当座を凌くべしとて幼少老衰の
無差別壱人別にそ白米を被下置近在近郷にて
少しも災害の薄き処へ人歩【にんぷ】被 仰付御焚出を
もつて御賄被成下置万端難キ有 御意之程冥加
至極言語に絶たる事ともなりと
山中岩倉山抜崩れし場所へは郡御奉行
《割書:磯田音門未年迄御預所|町御奉行兼帯御屋鋪殿町》
諸役人を引連れて御出張あり彼の湛し水の
面に浮み度〻廻りして有ける家を助んか為に
自ら船に進み変化にして俄に湖水をなせし処の
危も忠と仁とに船乗寄せ漂〻たる家蔵を繋き
留め〳〵岩のはさまに生茂る大木に繋き留させ
人民の歎きをなくさめらる附随ふ人〻を始メ
民百姓歓ひ仰といへとも四月十三日一段の急波に
縄悉く切れて流失するとかや
犀川筋小市渡船場の少しく上ニ而岩石抜崩
川中に押出し又地中より泥砂を吹出し
川中に小山をなす小市渡船場の川筋譬は