翻刻
じゆろうじんと
いひながらわか
いきにて人を
うれしからせ
るよひしゆ
かうでおち
をとらんと
ひたいに
しはを
よせて
こんきを
くだきあんじ
ぬいてやう〳〵とせかいを
つかまへてとしはよつても
りうかうにおくれはせぬと
はりあふ
きで
び
し
や
門
のう
ら門の
まへにあん
したくすりみせをだし
あとへとしをとるくすりと
一生わづらはぬくすりを
よの中の人へひろめ給ふ此二つの
めうやくがあればおのゝ小まちも
おもかけのかわらてとしのつもれかしと【注】
うぬほれのうたもよまずしんの
しくわう【秦の始皇】もふろうふしのくすりを
さかしてよくづらを引はるにも
およはねどからにも日本にも
これまでないめうな【妙な】くすりを
一文きなか【一文寸半=わずかの金も】出さずにしてやる事
ゆへまいにち〳〵ゑいとう〳〵と
おしかけてあたつたみせ
ものゝきどまへのやうで【当たった見世物の木戸前のようで】
まちふたをだしたひ
くらゐなり
【注:面影の変わらで年のつもれかしたとえ命に限りあるとも】
〽わかく
なる
くすりた
から
じゆろう
しん
さまから
出ます
わつらはぬ
くすりを
ください
しかをみて薬を【鹿は寿老人が連れている動物】
おもちひなさい
しかをみて
おやすみなさい
しかゞ云
〽おいらも秋は
つまとひの
しかといわ
れていろけ
のあるみの
うへさ
四五十年
あとへとし
をとつて
ほんだに
ゆうつもり
た
〽わしも
わかかへつて
しまだに
ゆうつもりだ
〽とてもの事に【いっそ】めいてうを【名鳥】
ごろふじませだてうを【駄鳥】
ごろうじておやすみ
なさいといつたら
よからう
【寿老人と同一人物とされる福禄寿は鶴などの鳥を連れている】
【右側の看板】
あとへとしをとるくすり
玉顔子
一生わづらわぬくすり
延命丹
【左側の看板】
《割書:仙術|指南》長果老《割書:三八|出席》