翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

徳若水縁起金性 / 樹下石上作 - 翻刻

徳若水縁起金性 / 樹下石上作 - ページ 9

ページ: 9

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しゆろうじんのひろめ給ひし あとへとしをとるくすりは しんのうも【神農も】かわいらしい ひめゆりからおにあざみ【ヒメユリからオニアザミ】 へびいちことくだみの【ヘビイチゴ、ドクダミの】 はなもちのならぬまで【鼻持ちならぬまで=我慢できなくなるまで】【神農は自ら食べて薬草の分類をしたとされる伝説上の帝王】 なめてみ給ひしかこの くすりのほうには てこずりしらがを くろくするくすりに いつしやうはの ぬけぬくすり くらゐの 事なるに きめう きたいな くすり とてよの 中の人か われも〳〵と のみければ 梅ぼしおやぢが さかりのわかひものになり しぶかみばゞァがやは〳〵 ぼちや〳〵とした うまひしゝあいに【肉合ひに=肉付きに】 わかかへれば四十から 五十くらゐなものが 十四五なむすこや むすめになり二十だいから 三十くらゐのものは六つか 七つの子どもになつて 子とろ〳〵をしたり そうりかくしをしたる とんだりはねたり かめ山のはけものゝ もちあそびを うれしかれは 十だいのものは三つ はかりになつて おかアさんちゝ のみたひといへは あんまり薬か きゝすぎて おきやァ〳〵と いふもあるのさ 〽人のしやうに【証に=体質に】 よつてあたま からわかく なるも あれば しり から わかく なるも あるその内 にははんしん わかくなつてくるも おりやまんずふさやちりめん しわののびるはめうでごせへす 【左ページで茶碗片手に足をさすっている老人】 〽おらァあし もとからわか くなつてきた こいつはおもく ろいな【注】なむあみだ これじやァ三つ ふとん【注2】の上へ てはな せるぞ 【注:面白いを面黒いと言い換える言葉遊びで職人がよく使った】 【注2:三枚重ねの敷き布団で最高位の遊女が使った。つまりこの爺さんは吉原で花魁とも遊べると言っている。】 なむおみとうふは【注3】 いやだにまめも かたいほうを かつてくふ風だ よたすけ給へ なむあみた     〳〵○ ○はんふん わかく なつてしや れとねん● ●ふつを ませて   申 【注3:南無阿弥豆腐と書いて「なむおみとうふ」と読む。僧侶が肉のかわりに豆腐を食べるのと、読経が「なむおみどう」と聞こえることから豆腐に繋げる洒落】 【右ページ背中にほうきをつっかえ棒にしている女】 〽あとへとしを とりわかく なつてとしが のびすごして うしろへ ばつかり かへるにより せなかへ つゝはりを【つっぱりを】 かつて をく 〽三十年あとへとしをとる内を  十五年あとへとつてはんしん   わかくなつたからもう   十五年あとへとしをとると    さつはりとわかくなるうれしや〳〵 【手鏡を持って足を見ている男】 おらァかみから【髪から】  わかくなつて  手なとは  ふつくりと   にくが  かゝつて ねりま  だいこの【練馬大根の】 ごまにと  きて   いるか あしは  ほし   大この  やうだ 【左ページ下で四つんばいで女性にすりよる男の台詞】 〽おかァさん  ぼうに   はやく  ちゝを   のませ     なよ 【鏡を見ながら髪を結っている女】 六七 ねん ぶりて しまだ にゆつた らくせ がついて いゝにくい【結いにくい】 どう せう のう 此女 四十くらゐ      で あとへ としを  とり 十七八に なつたと  みへたり