翻刻
日本七ツ合セ候程可有之存候王都は「スヨウカ」と申所にて
私罷在候「スヘツホー」港ヨリ八十里程西南に当り申候
一常食ハ「ハン」にて御座候製之様ハ麦を粉に致し豚の膏ニ
てネリ鶏卵砂糖にて/味(アジ)ヲ付饅頭の様に蒸し牛乳
を付朝昼晩三度食し申候製し様ニ上品下品御座候味噌
醤油無之肉類葱芋類統而塩にて味ヲ付油にて煎
り上タベ申候食事には大ナル机の様ナル物を置家内一同是
を囲ミ腰懸に掛り机上の物ヲ給申候米ハ印度清国南
米利幹ヨリ交易致し候米問屋有之候得共味浅キ者にて
人の力に不相成と申常食には不相用病人等は粥に致シ
食候事も有之物好にて給候事も偶有之候俵ト云は
無之米麦共に金輪の樽詰メにて丸キ升にて汲取申候
一衣類ハ西洋風にて羅紗類にて仕立申候定の色ハ無之
種々相用候髪ハツミコホシニテ焼金にて端ヲ焼キリ〳〵
と巻セ申候是ハ西洋東洋共筒袖着用致候処の作法ニテ
御座候由「アンヘラ」様■者編タル呂宋ヨリ渡候笠ヲ着往来