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実地の打放せし事なし近来者 雷火(ドントセ) 燧石(ヒウチ)
等弁利の打方追々行れ甚有益の法
次第ニ盛ニ成へし尤工夫練磨なしたき
事なり陣法戦略の如きは決て夷邦を
学ふべからず 皇国の神器を以て彼か
備を打破るへき術を構へ究操練なす
事急務也何程習練工夫なす共砲銃
の術大船の運用ハ彼に及さる也彼是
数百年精熟なし又夷邦ハ生質も異也
都て西洋人者機工の技ニ長ずるハ素より
自然ニ得たる所也我国の人膽氣強にして
勇武勝れたるも又自然也然るに日本戦国ニハ
武勇の人多しといへとも三百年に近き泰
平故中々以元亀天正頃の如き勇者ハ是なし
皆々柔弱のもの斗故迚も古代の如き先輩
血戦なす者なし恠弱の者多分也殊に
夷邦ハ砲銃斗を以て専らとなし五六
拾間の場合にて勝敗を決する戦略故此
方ニ而も彼か法を用ひ強弱を持合せ西洋
風の備立ニあらされハ彼と戦闘ハなし難しと云
其言理有ニ似たりといへ共其一を知て其
二をしらざる論と云へし真ニ兵機を知る者
の論ニあらず本邦風土の美五穀の豊
穣すへて外国ニすくれたる事ハ元より論なし
其土に生ける人故膽氣強く事に莅て
死を懼れさるの気質あるも自然備り
たるなりたとへは鄙賤なる日雇体のもの