翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 19

ページ: 19

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実地の打放せし事なし近来者 雷火(ドントセ) 燧石(ヒウチ) 等弁利の打方追々行れ甚有益の法 次第ニ盛ニ成へし尤工夫練磨なしたき 事なり陣法戦略の如きは決て夷邦を 学ふべからず 皇国の神器を以て彼か 備を打破るへき術を構へ究操練なす 事急務也何程習練工夫なす共砲銃 の術大船の運用ハ彼に及さる也彼是 数百年精熟なし又夷邦ハ生質も異也 都て西洋人者機工の技ニ長ずるハ素より 自然ニ得たる所也我国の人膽氣強にして 勇武勝れたるも又自然也然るに日本戦国ニハ 武勇の人多しといへとも三百年に近き泰 平故中々以元亀天正頃の如き勇者ハ是なし 皆々柔弱のもの斗故迚も古代の如き先輩 血戦なす者なし恠弱の者多分也殊に 夷邦ハ砲銃斗を以て専らとなし五六 拾間の場合にて勝敗を決する戦略故此 方ニ而も彼か法を用ひ強弱を持合せ西洋 風の備立ニあらされハ彼と戦闘ハなし難しと云 其言理有ニ似たりといへ共其一を知て其 二をしらざる論と云へし真ニ兵機を知る者 の論ニあらず本邦風土の美五穀の豊 穣すへて外国ニすくれたる事ハ元より論なし 其土に生ける人故膽氣強く事に莅て 死を懼れさるの気質あるも自然備り たるなりたとへは鄙賤なる日雇体のもの