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一鎗を学ふへしと思ふものハ鎗斗を習ハす
一生質多病ニて武術一事も習事能ハさる
ものハ筆道を習ハすへし
一学問ハ人倫の道四書小学ニて足べし
義理の要を知り身ニ行ひ心ニ翫味すべし
如此士を教育すべし怠惰を戒め出精
のものならハ褒詞あるへし褒美を遣し
品を給らねハ忝思わさるの風にならざる
よふに節義を重し利を軽く思ふ様に
士気を引立へし上の大利を欲せざる
時は下の節義も速ニ立へし上次第ニ而
廉恥の風にうつる事手を返するか如し
又有司の人も武術の中一藝ハ是非共
自身稽古すべし主将といへ共名将ハ自身
士卒と労を共にす老中衆ニても官職
の高下ある迄にて人臣に相違なけれバ
銃砲ニても鎗にても手を下して稽古す
へし御旗本御家人御勝手方役人迄も同様也
此法ニて四五年も御世話あらハ御膝元に
勇壮の健士夥しく出来して外藩の諸侯
達に勝る事万々成へし膽力壮勇の士数
萬是あらハ西洋人のことき劣弱成工夫の
陣隊にあらすとも本邦持前の先登勇
戦何そ難からんや何れにも二心を去ら
されば事は成就せす二ツなから全く
する事ハ天地の間に決して有へきの理なし