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翻刻
西洋流の砲術大筒の音人こへに廣ひ
世界にちいさひ身の過き処さへなき故に
姿をかへて海中へ飛込んて見れば
爰も俄ニ埋られたる有為転変の有
さまを聞に付ても御臺場の模様を
誰ぞに聞たいと厳重なる事に岩の
螺の貝か居るを見付て猿頬こえを
かけコヽワ螺さんどふじや我等は居所を
埋られて爰までよろ〳〵迯て来た
螺貝夫りやとふした事であろふ猿頬
どふしたとはなさけなひ御存ないかへ
ソレ唄にもやもめの烏の月影にうかれ
来る身のかなしさは今ハ我身に引替て
甲斐なき此からだねぐらに迷ふて居る
わいのふ蜊猿頬時に螺さん品川の海を
埋めますハ何事で御座り升螺貝アノ海
を埋るは御臺場とて去年の異国船
か浦賀の港内へ俄ニ乗込て夫から
始て御要害の御臺場去年六月は
陸の方の大騒てまた今年ハ異船の
来るのさ夫て此御臺場を作りしは
深ひ御計策でも有かしらん我等には